糖尿病網膜症とは・・・
網膜症は、腎症、神経症とともに、糖尿病の3大合併症の1つです。糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で眼の奥の網膜(カメラでいうとフィルムに相当する部分)が障害を受ける病気です。初期の段階では小さな点状出血のみ、中期になると出血が増え、血管がつまるサインである白斑が出現します。さらに進行すると硝子体出血や網膜剥離、緑内障を併発し、失明の原因になります。
糖尿病網膜症の治療
初期の段階では、まず血糖のコントロールがとても大事です。血液検査の項目で、HbA1cの値(過去1か月の血糖状態を表す)が、6,0%~7,0%程度でコントロールされるのが良いとされています。
それ以上進行してしまった場合は、度合に応じて、レーザー治療を行い進行を防ぎます。 レーザー治療は、点眼麻酔で1回に20~30分程度かかり、進行の段階によっては数回の治療が必要になります。 さらに進行し、硝子体出血や網膜剥離を合併した場合は硝子体手術が必要になります。
定期検査が大切
糖尿病網膜症は、初期の段階では眼底に出血があっても自覚症状はありません。視力が下がってからでは、かなり進行していることが予想され、治療の範囲が限られてしまいます。 糖尿病の診断を受けた方は、自覚症状がなくても、定期的な眼の検査をうけて頂くことをおすすめします。